第325回 日曜地学ハイキング記録

日曜地学ハイキング記録

川越台地の生い立ちをたずねて


第325回日曜地学ハイキングを平成11年1月17日に実施しました。

関東ローム層やレキ層を観察し台地の生い立ちに思いをはせてみました。




1月17日(日)  東武東上線 上福岡駅 改札前 午前10時 集合
                      解散 同駅 午後4時頃
持ち物;弁当、筆記用具、ルーペ、色鉛筆、画板、草かきガマ、ハンマー、軍手、新聞紙、ビニール袋
参加費;100円                  1/2万5千 与野、川越南部
案 内;清水 康守氏(岩槻北陵高校)・駒井 潔氏(大井高校)
コース;上福岡駅〜福岡江川〜宮元〜新河岸川〜権現山公園〜上福岡駅  計7km
見学ポイント
        stop 1 福岡市江川(新田1丁目)
        stop 2 福岡新田の水天宮
        stop 3 中之島1丁目
        stop 4 花の木2丁目
        stop 5 権現山の緑地公園
        stop 6 養老橋付近(福岡河岸)


 埼玉平野の南西部は川越台地とよばれ、武蔵野台地北西部に位置しています。武蔵野台地は、古くから青梅を扇頂とする扇状地であるといわれています。扇状地というと、単純なものを恐い浮かべると思いますが、武蔵野台地は、複雑な地形面の集合から成り立っています。
 山地から平野へ流れ出る河川の傾斜急変点で、土砂の堆積が起こり、扇形の地形をつくる、それが扇状地です。扇頂を中心とした同心円上の等高線が特徴です。
 地形図から、台地の地形を読みとり、地形区分し、色分けしてみました。そこを実際に歩いてみることで、それを確かめてみました。
 川越台地の地質を上福岡市権現山の緑地公園で観察し、台地の生い立ちに思いをはせてみました。関東ローム層の洗い出しやレキ層の石の区分けなどをまずやってみた。


  武蔵野台地の地形


 武蔵野台地は青梅を扇頂とする巨大な扇状地として知られています。この武蔵野台地の範囲は北縁を入間川、南縁を多摩川によって限られ、埼玉県と東京都にわたって分布する広大な地域です。扇端の東縁は荒川低地、東京低地によって限られています。広大な台地であるため、武蔵野台地を細分して、柳瀬川以北を川越台地(川越台ともよぶ)とよぶことがあります。
 川越台地の地形は南縁に狭山丘陵が位置し、全体に南西部で高く、北東方向に低くなります。しかし、その内部をよくみると、平坦に見える台地地形も、急な坂の連続する地形や崖によって、いくつかに細分できることがわかります。
 川越台地の南部には、狭山丘陵に接するように、所沢台とよばれる、川越台地で最も高い地形の台地が位置しています。所沢台はその西端の所沢市三ケ鳥付近で標高が120m、東端の所沢市坂の下で約40mとなっています。これと同じ時期に形成されたと考えらているのが北部の金子台です。金子台は北縁を霞川と入間川に限られるように分布し、西端は東京都青梅市東青梅付近で標高180m、東端は狭山市の新狭山駅南方で標高約50mを示しています。この2つの台地は下末吉面とよばれています。
 川越台地には武蔵野台地に分布する成増台や朝霞台(両者ともあわせて野火止台とよばれています。)といった所沢台に次いで古い地形面は存在しません。この地形面は武蔵野1面(M1面)とよばれるものです。次に形成されたのは武蔵野2面(M2面)で、川越台地には広く分布しています。この面は南部で砂川堀の南方に発達する富士見市の渡戸、羽沢、上沢、鶴瀬の各地区、大井町東台などの地域の地形面です。北部は上福岡市川崎から上福岡駅を通り、大井町鶴ケ岡、亀久保にのびています。両者とも共通した地形上の特徴は、東端の荒川低地との境界が急崖で接するということです。
 次に形成された武蔵野3面(M3面)は富士見市勝瀬、上福岡市駒林から三芳町上富、大井町亀久保にかけて分布し、中部のものが川越の新河岸駅の南方に南西〜北東方向に幅約1q以下、長さ5qにわたって手細長く分布しています。南西端は川越市上松原、北東端が川越市寺尾です。北部のM3面は狭山市中新田から川越市中台にかけて分布しています。南部の面の特徴は花ノ木から谷田にかけて沖積低地との比高がほとんどなくなることで、ほぼ水平に近い冲積面に潜り込むように接しています。
 これらの面より新しく形成された面を立川面とよんでいます。川越台地内の立川面は不老川沿いに分布しています。青梅市青梅付近の扇頂から始まる立川面は東京都瑞穂町付近で2つに分かれ、一方は多摩川沿いに、一方は川越台地の方へと向かう。この立川面沿いに流下する河川が不老川です。幅1.5q前後で細長く分布する不老川沿いの立川面は大井町中福で2つに分かれ、南部のものが川越市の寺尾中学校の方へのびています。北側のものは不老川に沿って川越市砂へとのびています。これ以外に、小規模だが上福岡市の江川沿いと、大井町から富士見市にかけての砂川堀沿いに発達しています。立川面は、荒川低地の沖債面とは比高がほとんどなく接しており、沖積面下にもぐりこむように発達しています。




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