ゴシック社会と分析精神面と肉体面鬱的感情

SOCIAL SCENE & ANALYSIS


Wrist Cut-Cutting Blood Letting & Drinking Death Fixation Depression


メインストリームの社会では,「鬱病」という精神病の1つは,アブノーマルで,それを治療しなくてはならないという考えに統一されています。Christian DeathのMalus Amorという曲でも,「心理学者たちはこの完全(嘲笑)な世界での変質者達を治す為に手がかりを追求する」と言っていますが,「鬱」的な感覚は,ゴシックのサブカルチャーの象徴となるものの1つであります。

パンクは,反逆,混沌,反乱を象徴し,インダストリアルは怒りを表現しています。その中でゴシックは悲しみを表す音楽です。

世界には色々な考え,感覚,哲学,趣味,趣向を持っている人々がいます。そしてそういう人々が同じような考え,感覚を持った人々といっしょになり,それが小さな団体となり,サブカルチャーが生まれます。(これは,サブカルチャーだけではなく,人間関係の基本です。)そして,この悲しみを美しく,大袈裟にしたグループがゴシックだというわけです。だから,ゴスは他の人達よりも,もっと「鬱」的だと思われるのです。

ゴシックのサブカルチャーは独創性のある1つの個性が団体となったものです。その中には,沢山の芸術的センスを持っている人々がいるわけなのですが,芸術家や,昔から天才だと言われていた人々は,必ずどこかメインストリームではアブノーマルだとされる「精神病」とレッテルを貼られるものを持っていました。

昔,友達の彼氏(今はもう別れてしまっているのですが)で,「精神病(分裂,鬱,その他様々)」を抱えているという人がいました。友達とは遠距離恋愛の上に,その病気の事もあって,なかなか会えず,コンタクトもとれず,別れた方が良いという話になりました。それはメールでやり取りをされたらしいのですが,最後に私の友達が,その彼氏から貰った最後のメールを読んでくれました。メールの内容は壮絶なものでした。悲痛な嘆き,自分の無力さに怒りを持っているのか或いは全く無感動なのか分からないような文節,半分投げやりであり,自己を「人間ではない者」と語り,聞いている関係の無い私まで鳥肌が立ち,泣きたくなるような魂の叫びをつづった文章でした。

また,重い精神病になる人程繊細な神経を持っていると言えます。人が考えない事を考え出し,人が感じない物を感じ取る力とはまさに狂気的なものだと思います。芸術化論はこれくらいにして,この芸術家論の反面,ゴスで居るという事は別に悲しみだけを伴わなくてはいけないという事ではありません。

悲しみを感じ取る感性が強ければ強い程,また喜びを感じ取る感覚も強いわけです。少数のゴスで,「人生が全て悲しく見える」と言う人達はいます(その人の生い立ちによって,人格形成と性格が変わって来るので)が,ほとんどのゴス達はバランスのとれた生活をしています。
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