G.フォーレの「ドリー組曲」第1曲目「子守唄(Berceuse)」です。
フォーレは、ボレロで有名な、フランス近代音楽の第一人者、
M.ラベルの師匠に当たる作曲家で、独特の流動性を持った、
和音展開が大変上手で、又、ロマン派の作曲家に比べて
空気の様な、柔らかい音楽を作り出す達人だと思います。
 絵画で云えば、モネ、マネ、時代は違いますが、マリー・ローランサン
のような、柔らかいパステル調の、害のない、心和らぐ音楽だと思います。
ロマン派の作曲家の持つ、アピール性など皆無で、
まさに、空気の様な音楽だと思います。
「無かってもいいけど、無かったら困る物。」だと思います。
 前述しました様に、フォーレはラベルの師匠ですが、
弟子のラベル方が名前が売れてしまったのが、唯ひとつの不愉快と云えましょう。
 さて、ドリー組曲とはどんな音楽だか分かりますか?
ドリー組曲は、大体ピアノの連弾にされる曲で、バイエルや
ブルクミュラーを終えた可愛い生徒さんが、
次に、ソナチネへ行くか、そうかドリー組曲の様な変わった曲を、
発表会などで弾いておられるみたいです。
 僕もドリー組曲を連弾で弾きたい。
1台のグランドピアノに、誰かと2人で座って弾きたいものです。
それも、シュタインウェイで。
連弾は、指と指、肩と肩が、自然に触合う様に作曲してあるからです。
シーンによっては、右に座っているプレーヤーが低音部を、
左に座っているプレーヤーが、高音部を叩かないといけない
部分もわざと作ってあります。テニスや卓球の混合ダブルスの様に、
ぶつかって当たり前です。昔の男女は、日本でもそうでしたが、
人前で、若い男女が手と手を触れ合ったりする事は、
あまり出来なかったので、例えばモーツァルトの時代からでも、
男女が連弾を人前で弾く事は、ダンスの他にも唯一許されていたそうです。
勿論未婚の男女どうしでも可能でしたし、
人妻と妻子持ちでも可能でした。
相手の夫や、奥さんの見てる前で。
 まさに、Shall we dance? の感覚で
連弾に誘っていたみたいです。

 フリーのシーケンサソフト・TSQの作者、大髪さんのサポートのかいあって、
今回の改訂にあたって、弾き手Aの普段高音部を受け持つパートを、
4声部に分けて右のスピーカーに。弾き手Bの普段低音部を受け持つ
パートを、5声部に分けて左のスピーカーから音が出るようにしてあります。
ヘッドホンで聴くと、極端にパートが分かれているのがわかります。
又、少し重低音がきつい部分がありますが、日本人は低音好きな人が多いので、そのままにして置きました。気になる場合は、メディアプレーヤー7.1付属の
グラフィックイコライザーなどを使ってお聴き下さい。