年齢
 最近年をとった。もう21歳だ。でも僕の周りの人からすれば「まだ21歳」だそうだ。そうです。僕の
今付き合っている友人達はみな年上なのです。一緒にバンドしている人はもちろん、一緒にライブ
ハウスに出演する対バンの方々もことごとくみんな年上なのです。みんな鬚が濃くて、しわが隠せ
ないようです。これ半分本当よ。

 学校の友達も実はたいてい一個上なんだ。高校までは同じ学年ってことは同い年ってことなんだ
けど、大学ともなるとそうもいかんのよ。でも不思議なもんで同じ学年なら年が違おうが平気でタメ口
で話せるのよ。てか相手にしてみればタメ語で話してほしんもんだろうね。

 一つおもしろい例として、僕の学年には僕の高校の先輩がいるんだけど、僕は最初その人と敬語
で話していたんだ。でその人の友達とたまたま僕も親しくなったんだ。入学当初の話ね。その友達
ってのがこれまた僕より一才上だったと。でも僕はそのことをあとから知ったし、平気でタメ語で話して
いたんだ。もちろんその友達と僕の先輩はタメ語で話すわけでしょ。さてここでどういう現象が起こる
でしょうか? 
 この三人が同じ場に居合わせたとしましょう。僕は先輩とは敬語で話し、友達とはタメ語で話します
。でも友達は先輩にタメ語で話します。このアンビバレント状況にお気づき? これって結構辛いよ。
僕が先輩にタメ語で話すことで決着はついたのですが、まだ問題はあったのです。
 僕がその先輩と二人で話しているとしましょう。タメ語で話せるようになった僕ですが、いざ高校時代の
話になったらどうでしょう? 「○○先輩って今どうしてるんですか?」といったふうにやっぱり敬語に
戻ってしまうのよ。大学という新しい環境では自然と話せても、いざ高校の話になると、僕たちは頭の
中が高校時代に戻って、また昔の関係がよみがえってしまうのです。これって結構大変よ。
 しかし、そんなことは時が解決してくれるのでした。もう大学に三年近く通っているとすっかり高校時代
の話なんて記憶の底に眠ってしまうのでした。

 大学ってそんなとこだよ。もう年なんて関係ないとこ。同じ学年で同じことを学んでいるなら二人の間に
敬語なんていらない。たまたま僕の友人は一個年上だっただけ。一年早く生まれただけ。そんなことで
関係の上下なんてないよね。
 
 「音楽に年なんて関係ないっすよ」・「先輩、タメ語でいいっすか?」これは実際に僕が言われてきた
言葉である。状況はだいたいわかるよね? 前者が年上の音楽仲間に言われた言葉で,後者が、
大学の後輩に言われた言葉さ。こういった言葉を境に年齢のくだらない違いを越えて新たな関係が
できるのです。貴賎上下のない対等な関係。これって結構いいもんだよ。

 本当に人生って面白いよ。それぞれが十人十色のドラマを演じているんだね。そのドラマは月9なん
てかなわないくらい面白いんだ。自分史はきっと自分だけでなく誰が見ても楽しめるはず。「人生お先
真っ暗」とか、「俺なんて死んだ方がええねん」とかそんなこと絶対ないって! 「おもしろいことなんて
何も言えないで」とか関西以外から来た人は言うけど、君の今までにやってきたことを話してくれたら
それは何よりもエンターテインメント、素敵に無敵なコメディ。一晩中話しても話しきれないよ。一年は
365等分できて、一日は24等分できるんだ。君の選ぶ道、君の信じた道。「今までの藤田小雪が生きて
きた22年間を全部話して下さい!」−これは某漫画の一セリフ。もう分かるでしょ? そういうこと。
 
 明日はいったいどんなことが起こるのだろう? 明日何もなくても明後日はなんかあるはず。繰り返しの
日々には幸せは訪れないって? じゃあ今までに昨日と全く同じ今日を過ごしたことがあるの? 同じよう
に思える毎日もよく考えたら全く違う日なんだ。きっとそれは自分次第。

 年上の君と高校時代に出会っていたら君は僕の先輩だった。僕は敬語で君に話しているはず。年齢の
壁を感じながらも結局は対等な関係になろうと願えばなれるよねぇ。だって今君と僕は対等な関係だもん
ね。多分それって互いの気持ち次第。でもそうさせてくれるきっかけとなるのは「大学」という環境なのかな
あ? 環境の要因を認めたくない自分もいるんだけど、ここは認めざるをえないか。一人の人が二つの人生
を体験できないからね。人には限界があるんだね。そんなことを嘆いていても始まらないから、今はあきらめ
るよ。

 年齢の壁を感じすぎるのはバカげている。感じられても嫌だし。僕は後輩には全然タメ語で話してもらい
たいし、先輩には全然タメ語で話させて欲しい。こういうのってやっぱ年上がアイスブレイカーになるべきだ。
「おいおい敬語なんて使わんでえーで」と気軽に言ってあげようよ。言葉の意味なんて飛び越えてやれ。

 もちろん礼儀はわきまえたうえでね。がんばってみようよ。きっとできるはず・・・