堕天使の悦び

 天使は時に絶対存在である神に反旗を翻すことがある。飼い犬に手を噛まれた気分の神は後悔の間も無く朽ち果てていくのだ。そして天使たちは伝説の嬰児となって下界に降臨する。目が覚めたらそこは産婦人科の分娩室。ずる賢い知恵を持った赤ん坊として新たな生を享受するのだ。しかし憑依前の人格(本来の体の持ち主)は下層意識として常に存在している。お互いの融合が生み出す奇蹟に期待せずにはいられない。それは性というもの。回避できない悦び。