死海の煌き

 それは暁の起こす魔法。死海にも訪れる奇蹟。何もない荒廃しきった大地の民は恐れおののく中にも多少の安堵を覚える。いや、むしろ思い出す。決して忘れてはいけない感情を、沈下させ忘れようとしていたことに罪の意識は隠せないか。光を受け生きていくことの悦びは、なくして初めて気付くものだと痛感する。しかしその「煌き」はすべてを優しく受け入れてくれる。あぁ何て暖かいんだ・・・美しい・・・美しすぎる・・・・ 声にならない声。そこには、「思いを口にすると全く別物になってしまうのでは?」という不安感がある。しかし美しいものを美しいと言えるのは、きっと心に余裕ができたことの証し。何を恐れているのか。