ブルーハーツは宗教問題で解散した?

 最後はブルーハーツである(写真参照)。これまでに紹介したToshiや岡平健治の場合とはやや異なって、一部のメンバーが新興宗教に染められたというパターンだ。
 「ブルーハーツの解散は宗教だ!」と言う人は多い(僕もその内の一人だ)。ブルーハーツもまた日本の音楽シーンの頂点に登りつめたバンドである。ボーカルのヒロトとギターのマーシーが作る曲はメッセージ性が強く多くの若者の心を捉えた。解散してから七年もたった今でも彼らの楽曲はドラマの主題歌やCMソングに使われたりしておりいまだに人気があるといえる。ブルーハーツは95年に解散したのだが、その理由は「ブルーハーツとしてのアイディアの枯渇」だった。後年のブルーハーツの楽曲はメッセージ性が薄れてきて初期ほどのインパクトはなかったことを考えると、この理由は確かに納得できる。しかし一方でベースの河口純之助が幸福の科学に入信していたことが原因だとも言われた。後年のインタビューで彼は、「(ヒロトの曲は)宗教的に無知な部分の延長である」と自らのバンドの楽曲を批判し、また「今仏がこの世に降りてきていることをみんな知って欲しい」とかなり宗教的な発言をしている。いくつかある彼の作詞作曲した曲をみていくと、「インスピレーション」という曲では、歌詞に「神様ならばきっときっと僕の答えと同じはずだね」というキメのフレーズがあり、この部分のみ河口本人がボーカルをとっているのだ(他はヒロト担当)。他にも、「Good Friend(愛の味方)」という曲では「信じていく心 この世 あの世 つらぬいて」という歌詞があり、「幸福の生産者」という曲では、あからさまに大川隆法を称えている。
 さらにドラマーの梶原徹也も熱心な仏教徒(阿含宗)であった。彼は仏教徒であることを早い時期から公表していた。彼はブルーハーツとして楽曲を提供していなかったが、インタビューでは「言っちゃえば、仏教の方がドラムより大事ですよ。」と発言している。真偽は分からないが噂では、メンバー同士の話し合いで、ヒロトの「神も仏も人間の妄想じゃ!」との発言に、「わしはその仏を信じとるんじゃ!」と一喝したそうである。
 このように見ていくとメンバー4人のうち半分が熱心な宗教信者であったわけだ。さらに宗教信者ではないメンバーのヒロトとマーシーが解散後すぐにハイロウズとしてまた同じバンドで活動を始めた(解散発表からわずか二ヶ月!!)ことを考慮すれば、ブルーハーツの解散に宗教問題も関係していると言えるかもしれない。余談だが、ヒロトとマーシーはいまだに現役で活動中だが、河口と梶原はほぼ音楽シーンからは消えてしまっている。