理科実験を楽しむ会
もっぱら ものから まなぶ石井信也と赤城の仲間たち 
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ハミルトン・モーター(その1) E-45  No91 08327()

 

(1) 卍形の針金の中央に軸を設けた「羽」を、 細い金属パイプの軸受けにさし、 ヴァン・ド・グラーフ起電機の球形電極に乗せると、 羽が回ります。この種の実験装置を<ハミルトン風車>といいます。

(2) この羽は4極ですが、 積分記号形の2極でもよく、三つ巴形でもOKです。もちろん、 多極でもよいわけです。

(3) 高圧電源では、多くのものが電気を通すので、 ホックを軸受けとした紙製の羽でも、 少々湿めらせたり、 鉛筆で塗ったりすると、 よく回ります。放電端子は曲げて折るだけなので、 工作は簡単です。 

(4) 材質・大きさ・形などを変えて、 いろいろな羽を作ってみましょう。 軸と軸受けや、 電源とアースも工夫してみましょう。 

(5) 羽が回っているとき、 羽の近くに手をかざすと回りがよくなります。 これは人体がアースの役割を果しているからです。 だから、 軸の周囲にカーボン・ペーパーか新聞紙のアースを設けるとよいでしょう。

(6) カーボン・ペーパーで正逆の卍形の羽を作り、 ホックの突起にさして羽とします。 これを、 高圧装置のプラスとマイナスの電極に載せて回してみましょう。さて、 何がわかるでしょう。 

 

蛇足

[1] 材質として考えらっるのは、 種々の針金、 アルミホイルやアルミ缶、 カーボン・ペーパー(ファックス原紙の裏紙)、 ラミネートされた煙草やガムの包装紙、 ビニタイなどなど。

 要するに、 プラスチックなど絶縁体以外のものは、たいがい、羽になります。

[2] 軸としては真ちゅう棒やまち針などが、 軸受けとしてはニューム管、 真ちゅうパイプ、 ホック(フック)などが利用できます。

[3] 高圧電源としては、 発電棒(静電気(その3) No27)、 玉振り発電器(静電気(その4) No28)、 使い捨てカメラ利用のコッククロフト・ウオルトン装置(静電気(その7) No31)、 集塵機の電源(電束電流(その1) No71)、 などが利用できます。

  ただし、 光や熱と違って、 運動には多くのエネルギーが必要なので、電源のパワーを大きくする工夫がいります。

[4] 電源の一方の電極は羽につなぎますが、もう一つの電極は床や机に置いた濡らしたティッシュにつないでおきます。

[5] このローターは回転を速くつくることができるので、風車というより、むしろモーターと呼びたいところです。

 ハミルトン・モーターについては、 静電気(その5) No29 にも記述があります。


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石井信也