Peer -音楽雑記-



発表会 1411

 今回かけたのは、去年、地元でレッスンしていた“Moonlight Serenade (アレンジ:Char.).”
 去年の冬の発表会にかけるつもりだったが出そこなったので、改めて、という形。

 この曲の譜面は割とスカスカで、極端に早いところもなく (跳躍はある)、そういう面では弾きやすい曲だが、逆に言えば、譜面通りにインテンポで機械的に弾くと、面白くも何ともない、ってことになるので、丁寧にやる必要があり、そこは難しい。
 それでも、Char が弾いたバージョンで全体が 3 分に満たない短い曲だし、見極めが終わった後も、ピアノに向った時には必ず弾いてたので、割といけるはず、と思っていた。
 が、よくある話だが、本番近くなって乱れてくる。それについては、インストラクターの S さんに「音を出さずに弾く」という練習方法を教えてもらった。これは、エレピの電源を入れない、ってことではなく (それはそれで練習になりそうな気もするが)、音が出ないような弱さでゆっくり鍵盤を押しこむ、ということである。そういう弾き方で指使いを再確認するわけだ。
 その乱れの一つに、「一オクターブ違うところを弾いてしまう」というのがある。これ、実害はないし、練習中もちゃんとリカバれたので、心配しすぎもよくない、と放っておいた。ところが、ここがヘマの原因となった。

 入りは問題なし。イントロの後にフェルマータが入れられる曲構造のおかげもある。そこまでをピアノのタッチを探るのに使えるし、テンポが意図通りでなかったとしてもそこでリセットできる。もちろん、深呼吸もできる。
 で、問題の一オクターブ間違ってしまう展開部入口。案の定、やらかす。練習ではリカバれたのに、あがってるせいで「やっちまった!」と思ってしまった。そこで頭の中が白くなり、右手で何を弾けばいいのかわからなくなった。
 幸い、和音構成は思い出せたので、姑息的にそれでカバーしようとしたの (たとえて言えば、ラ・ド・ファと弾くべきところを、慌てて手を動かさずに現在の位置でド・ファ・ラと弾くような感じ) だが、それに注意をとられて、左手は完全に間違った。
 それでおかしくなったのは三小節。短いと言えば短いが、真ん中の展開部、印象的なところなので、全体の印象はぐんと悪くなる。
 なんとかリカバって、上にかけあげる部分も大過なし。ここもフェルマータなので深呼吸。A メロに戻る。
 エンディングも予想外によかった。ただ、最後の音を押さえている間、両手が震えていた。

 結果的に、入口と出口は OK、真ん中がアウト、という形。自分で「キセル奏法」と名付けたが、ほかがいいだけに真ん中の失敗が目立つ。

 あと、順番待ちの最中に頭の中で確認をしたのもまずかった。やっちゃいけないのはわかってるんだが、単純なせいもあって、なまじ冒頭部分が再現できたのでそれを進めてしまったのだ。だが、そのやらかした部分が出て来なかった。あるいは、そこで楽譜を確認すればよかったのかもしれないが、「いかんいかん」と思って確認作業をやめてしまった。

 要するに、いつもの通り。「おおかたは大過ないが、絶対に間違っちゃいけないところだけきっちり間違う」というのをやってしまったわけだ。
 不安要素を残したまま (完全解消は難しいにしても) にしちゃいかん、ということだね。
 演奏終わってパーティの時にも、周囲の人たちと「練習でできないことは本番では絶対にできない」という話も出たし。

2014/11/23
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