ECM (Edition of Contemporary Music) は、ドイツのジャズ・レーベルだが、北欧のイメージが強い。どのアルバムも、音楽性・ジャケット・録音すべてにわたってプロデューサー、マンフレート・アイヒャーの美意識で貫かれ、統一感がある。ブランド品としての信頼性も高いと言えよう。今回のテープは、もう何回聴いたかわからない大愛聴曲の詰め合わせ。穏やかでメロディの美しいものばかり。いわゆる“癒し系”か。うるさくないから、おやすみ前に最適とも思えるが、感情は逆に激しく揺さぶられて眠れなくなってしまうかも。 （64分テープ　片面32分）

Side A Charlie Haden/Jan Garbarek/Egberto Gismonti - Magico Gary Burton Quintet - Dreams So Real Bill Frisell - Monica Jane Keith Jarrett - Mon Coeur Est Rouge Pat Metheny Group - The Bat part 2		Side B Jack DeJohnette - Central Park West Gary Burton/Chick Corea - Crystal Silence Gary Burton Quintet - Vox Humana Bill Frisell - Throughout Richard Beirach - Elm
	Charlie Haden/Jan Garbarek/Egberto Gismonti - Magico ヘイデン（ベース、アメリカ）、ガルバレク（サックス、ノルウェー）、ジスモンティ（ギター／ピアノ、ブラジル）による国籍混合変則トリオの一作目「Magico」(1979) より。ジスモンティ作曲。波のように満ち引きするギターのアルペジオ、たゆたうソプラノ・サックス、ベースはそれらを繋ぎ止める錨。	Jack DeJohnette - Central Park West コルトレーンの曲を、ドラムレスで賛美歌／アカペラ風にアレンジ。「Special Edition」(1979) より。David Murray (ts), Arthur Blyth (as), Peter Warren (b), Jack DeJohnette (melodica)
	Gary Burton Quintet - Dreams So Real カーラ・ブレイ作品集「Dreams So Real」(1975) より。甘い夢の如き桃源郷へ貴方を誘う。Gary Burton (vib), Mick Goodrick (g), Pat Metheny (g), Steve Swallow (b), Bob Moses (ds)	Gary Burton/Chick Corea - Crystal Silence ヴァイブとピアノのデュオ第一弾「Crystal Silence」(1972) より。曲名がＥＣＭサウンドを象徴している。初演版は「Return to Forever」(1972) で。
	Bill Frisell - Monica Jane ビート無しで、ゆったりと霞のように漂う。編集盤「Works」の１曲目に収められているが、実は Paul Bley「Fragments」(1986) の収録曲。Paul Bley (p), John Surman (ss), Bill Frisell (g), Paul Motian (ds)。この曲は David Sanborn も「Another Hand」（プロデュース：ハル・ウィルナー）でカヴァーした。	Gary Burton Quintet - Vox Humana これも「Dreams So Real」から。ほのかに明るくポップ。バートンの華麗なソロも素晴らしいが、それ自体が独立して曲になりそうなギター・ソロが絶品。
	Keith Jarrett - Mon Coeur Est Rouge 完全即興ソロ・ピアノ・ライヴの３枚組ＬＰ「Concerts」(1981)（邦題：ヨーロピアン・コンサート）ミュンヘン編のアンコール曲。これは即興ではなく、あらかじめ書かれた曲のようだ。構成も完璧な、結晶化された７分間。１枚ものCDはブレゲンツ編のみで、この曲を含むミュンヘン編は未収録なので要注意。	Bill Frisell - Throughout ソロ第一作「In Line」(1982) から、一人多重録音。淡々とした生ギターのパターンの上を、生き物のように、情感豊かなギターがむせび泣く。編集盤「Works」にも収録。
	Pat Metheny Group - The Bat part 2 「Offramp」(1981)（発売時の邦題：愛のカフェ・オーレ）より。"Monica Jane" 同様、ゆったりと霧の中に漂う美メロ。パート１はストレート・ジャズに挑んだ２枚組「80/81」で。	Richard Beirach - Elm 「ELM」(1979) より。暗く妖しいテーマが終盤メジャーに転調する...昇天。Richard Beirach (p), George Mraz (b), Jack DeJohnette (ds)