骨折と短距離走


最近、ふと思い出して、苦笑いしてしまう思い出がある。

それはかなり鮮明に自分の記憶にとどまっている。

中学3年か2年だったか・・・(鮮明と言う割にはあやふやだが)
夜、一人でテレビを見ていた。
それは「少林寺」。
カンフーアクションの韓国映画で主役は「リーサルウェポン4」にでていた、最後の悪役の人。

そのアクションはとうぜんかっこよく、激しい。

で、その当時バカ中学生だった私はテレビの前であちょーあちょーと真似してた。
キック力はかなりのものだったらしい。
振り上げた足は砕いた・・・

自分の足の指を

そりゃー、もう、激痛。
あまりの痛さにうずくまって、痛みをやり過ごそうとしても、その痛みは去ろうとせず、
ズキッ、ズキッ、ズキッ。
痛みは消えない。
このときはたまたま家にはだれもおらず、その痛みを訴えることもできない。

それから何時間たったか、親が帰ってきた。

が、みょーなプライドがあるバカ中学生は
「戸にはさんだ。」
というわけのわからない言い訳をした。

次の日、引かない痛みを堪えながら、整形外科へ。

医者にも、当然、
「戸に挟んで、痛いんですが・・・」
という話をして、レントゲンを取ってもらう。
すると・・・

骨折

あー、そうなのね。
やっちゃったのね。
生まれてはじめての骨折。

情けなかった。

足の指を小さいアルミ板を添えて、テーピングで固定。

学校に行って、まわりの友達に骨折した話をした。
まぁ、理由はあやふやにして。

そのとき、学校は運動会シーズン。
長距離の選手に選ばれていた私は当然、辞退。
・・・これはラッキーだったけど。

もっとも、運動会当日にはだいぶ回復していて、好きだった短距離ではトップを走れるほどだった。

コーナーに突入したとき、インコースを走っていた私は、外側を気にしながら走っていた。

「これはイケる」
と思った瞬間、内側から一人入ってきた。
そこはコースの外であるはずなのに。
「うわっ、きたなっ、コイツ」
と思い、がんばったのだが、
結局、そこでバランスを崩し、2位にゴールすることになった。

コイツの名前は今でも覚えている。
よっぽと悔しかったんだろう。


骨折とこの短距離走は、いつもセットで思い出す。


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