犬は走る
テレビのニュースで、ある町で犬の公害がある、と。
その人はそこらじゅうから犬を拾ってきたり、飼えなくなってきた人から犬をもらったりで、その犬の数は400匹を超える。
それとネコも。
しかし、当然管理しきれず、犬の泣き声や悪臭。餌のおこぼれを狙う野犬やカラスが集まり住人から苦情が起こっていた。
そして、犬自身にとっても劣悪な環境にあった。
その人は
「世界中の捨てられる犬を救ってやりたい。」
という。
ふと思い出したことがある。
昔友達と飲んでいてずっと話していたことだけれど、
「もしお腹が空いた犬が庭先に来ていたら餌をあげるか?」
っていう話があった。
私は一切あげないで、友達は渡す、と。
渡すのは目の前にかわいそうな犬がいたら、助けるのが当然でしょ、という。
私は、ここで餌をあげても、いつも来られてもあげられないし、もしあげて餌をもらう癖をもってしまって、やがてなんらかの事故で人に噛み付いてしまったら。
もし、その犬を飼えるのであれば、あげてもいいんじゃないかと。
目の前の状況を助けること。そして、その先の面倒を見ることは、同じか違うか。ここが友達との意見の相違点だった。
この犬をそこらじゅうから拾ってきた人も結局は犬捨てた人と変わらない。
全然飼えていない。病気で死ぬ犬やケンカでケガをする犬。そして、保健所から狂犬病の予防注射や避妊手術をしなさいと言われても、一日5万円のエサ代だけで、お金がなくてできないという。
もし
捨てられる犬を救いたい
のであれば、それだけのお金をかけられるか、または町ぐるみで助けられるような環境に持っていくか、たとえばどっか動物王国のようにブリダーと犬に触れ合える環境を作るとか。
もちろん犬を捨てるやつが悪い。
でも、飼えないのに飼おうとするのも同じ。
それが犬ではなくて別の野生動物だったら、例えば山が開発によりなくなって、狸とか熊が出てくるとかなるとまた別の問題なんだけど。
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