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“アイ・ディサピアー”や“パラノイアタック”などの歌詞は、ただ読んだだけではネガティヴな内容に感じなくもないですが、音楽と一体になって聴くと、すごく勇気づけられるというか、明日を生き抜いてやろうというポジティヴな力が涌いてくるような気持ちになります。特にライヴで体感するとそうだと思ったんですが、こういう効果については何か意識していたりしますか?

Todd:幾つかの歌詞が持っている批評性は、ライヴや他の曲の歌詞から感じられるポジティヴなヴァイヴがあることでバランスがとれていると思いたいね。そういう幅の広さって大事だと思う――どの曲もおんなじタイプっていうのは嫌なんだよ。いろんなタイプが共存しててメリハリがある方が面白いと思うんだ――理想としてはね(苦笑)。実際自分たちが、そういう音楽を作ってきたかどうかは僕にもわかんないけど、様々なタイプの曲をプレイして、ダイナミックさを表現することに興味がある。1種類のタイプの曲だけでは満足できないんだよ。

今回ストレートなメッセージ性が増したというのは、最近のアメリカを中心にした社会情勢の動向も関係していると思われますか?

Todd:…………おそらく、そうだろうね。過去にもそういうことを歌ってきたはずだけど、以前はもっと曖昧に表現してきたと思う。ただ、今回のアルバムほどはっきり歌詞に表れてなかった、っていうだけなんだ。あと今回のアルバムは、パーソナルなことを題材にした歌詞も多くなっているよ。恋愛を扱った曲が、普段よりもやや多いっていうか、僕自身としてはそういう違いも感じるね。

ということは、歌詞の登場人物が実際に特定できるような曲も多い、ということになるんでしょうか?

Todd:ああ、その通り。例えば何曲かでは、僕のフィアンセのことを歌っている。実は来年結婚する予定なんだけど、1曲目の“Desperate Guys”は、彼女との間に何かいいことが起きてくれないか密かに願ってるんだけど、自信がなくて、でも必死になってるようには見られたくない、っていう、付き合い始めて間もない頃の心理状態がテーマになってるんだ。

なるほど。

Todd:僕の人生の重要な一場面を描いてるってことで、僕にとって特別な曲になってるんだよ。それから“Southern Bells in London Sing”は、彼女がツアーに出てる間、どれほど寂しかったかってことを歌ってる曲。彼女もアズール・レイっていうバンドをやっているんだけど、それでロンドンに行っている彼女のことが恋しくて、ツアーでの出来事について耳にする、っていう歌なんだ。

今回、パーソナルなことを歌詞に書いてみようと思ったのには、どんなきっかけがあったんでしょうか?

Todd:今作では、たまたま曲にしたいと思ったのが、自分自身が気にかけてることだった――それがどんなことであっても、っていう、それだけの話なんだけどね。だからつまり、彼女との関係のことで悩んでたり興味があったりする時には、そのことを曲にするし、政治に関して悩んだり興味があったりするときには、ポリティカル・ソングを書く、と。その時々で僕の琴線に触れたものが、そのまま曲の題材になってた、ってことなんだ。

そういえば、今の2曲ともストリングスがフィーチャーされていますよね。パーソナルな恋愛事情を綴った歌詞+チェロといえば、あなた方のレーベルメイトであるカーシヴを思い起こすのですが、ザ・グッド・ライフのニュー・アルバム『アルバム・オブ・ザ・イヤー』はもう聴かれましたか?

Todd:デモ・トラックと、あと完パケしたものも何曲かは聴いたよ。あと、EP(『ラヴァーズ・ニード・ロウヤーズ』)に入った曲もね。だから、そう、アルバム本編のコピーがもらえるのを待ってるところだよ(笑)。聴いた曲はどれもすごくよかった。だから曲順の決まった完成品の形では、まだ聴いてないんだけど、会う人全員が素晴らしいアルバムだって言ってるし、僕もそう信じてる。曲は本当によかったからね。

で、その1曲目と4曲目にフィーチャーされているストリングス・アレンジなんですけれども。この2曲は昨日のライヴでは演奏されませんでしたが、今後ステージではどう再現するつもりなのですか?

Todd:まず、アルバム1曲目の“Desperate Guys”では、ストリングス・パートの演奏は難しいから、ライヴでの再現は多分ムリだな(苦笑)。だからライヴではサンプリングかキーボードで代用した別のアレンジを考えるかもしれない。“Southern Bells in London Sing”についてはオーケストラを大々的にフィーチャーしてるわけで、大勢のストリングス・プレイヤーが参加してるから、それもライヴでは再現できないだろうけど、別ヴァージョンを考えることになるとは思うよ。だから、次に日本に戻ってきた時は、願わくは、っていうか(笑)、絶対にその2曲はやる予定さ。

楽しみにしてます。では、前作と新作とで、作曲面に関して特に意識して変えた点はどんなところでしょう?

Todd:歌詞のテーマ、曲のスタイル、ビートに関しては、前作よりも曲ごとに多様性を持たせてある。キーボードやエレクトリック・ドラムを少なくしたりとか、そういう部分での変化は意識したかな。でも、曲によってはエレクトリック・ドラムをフィーチャーしたものもあるし、ケース・バイ・ケースだね。一番の目標は、そう、どの曲もその曲にとって一番自然な形に作ってやる、っていうことなんだ。曲ごとに連続性を持たせるために一本の糸で全曲くっつけてしまったりしたくはなかった。一貫性よりも、コラージュ的、パッチワーク的なものを目指したんだよ。

わかりました。では時間がないので最後の質問です。ニュー・アルバムが世に出ることによって、今後バンドの活動がより拡大していくことが予想されるわけですが、創作的な部分も含めて、今後バンドとしてどういう活動を展開していきたいか、どういうヴィジョンを描いているかについて教えてください。

Todd:今は『ウェット・フロム・バース』を作り終えたばかりで、非常に満足しているから、この後のことはまだあまり考えられないよ。ただ強いて言えば、今回のアルバムの曲はまだ、ライヴで披露できるほど全曲完全には習得できてないから、日本から帰ったら、秋から始めるツアーに向けて、新曲をライヴで演奏するための練習をもっとやらなきゃね。で、2004年の間はずっとツアーし続けることになってるし、来年の1月にはまたぜひ日本に来て単独公演をやりたいと思っている。それから、ライヴ用に新曲の映像を作ることも重要な作業だね。しかも二つスクリーンがあるから、どの曲も二つのヴィデオを作らなきゃならないし、そっちのほうも大変だよ(笑)。

がんばってください。ちなみに、そうした映像作品に関して今後リリースするような話はないのですか?

Todd:うん、それはぜひやりたいと思う。次のアルバムはDVD仕様にして曲とその映像をどっちも収録するとかね。まあ実現できるかどうかはまだわかんないし、今の段階ではそれはちょっと欲張りすぎかもしれないけどね(笑)。

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