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来日時に行なったインタビューで、スティーヴが「ひとつのカテゴリーにまとめられてしまうような音楽にはしたくないっていうことだけは考えていて、その結果が今みたいなサウンドになっているんじゃないかな」と発言していましたが、今作もまさにTAASでしかない、という作品に仕上がってます。多くの商業的なバンドがわざと類型的なサウンドを出したり、インディペンデントなアーティストでも先代のバンドを単純に模倣したような連中がいるような状況で、常に他とは違ったものであらねばならないという意識を保ち、実際に発揮し続けるのはなかなかタフなことじゃないかと思うのですが、自分達にこうした考え方が身に付いてしまった理由は何だと思いますか?

Brian:確かにタフではあると思う。でも、こればっかりは考え込んでいても仕方ないし、「オリジナルでいたい」と思っているだけで自分自身を変えることもなかなかできないしね。だから、俺としてはあくまで自然に……クリエイティブでいることかな。もし「よーし! 今から誰も作ったことが無い音楽を作るぞ!」とか意気込んで曲を作ってみても、結局はありがちで、奇をてらおうと一生懸命なだけの、どうしようもない曲を作る結果に陥りやすいんだ。きっと、せいぜいレス・クレイプールの真似事みたいなプレイをする程度しか出てきやしない。人と違うことをやろうなんて、頭で考えながらするもんじゃないね。だから常に「自分が本当にやりたいことは一体なんなのか?」っていう点に意識を集中して、そこから自然に出てきた音が、あわよくばオリジナリティーのあるものであれば幸いだと思っているよ。

歌詞はスティーヴが書いているのだと思いますが、またしても非常にユニークな内容になっているように感じました。あなたは彼が書き上げてくる詞についてどのような感想を持ち、どう評価しているのでしょうか?

Brian:毎回、彼の作詞の才能には驚かされるし、とても気に入ってる。 彼は非常にイメージをかきたたせる言葉を選ぶ才能と、曲のリズムに合わせたリリックの構造を組み立てる才能に恵まれてるね。歌詞を書く人のありがちなパターンとして、考えすぎたり、狙いすぎてクリシェが多すぎるつまらないものになったり、単純に無意味でくだらない詩になったりしてる例が多いけど、スティーヴは難なく人々の想像力に訴えてくる歌詞を書くし、テーマも豊富で飽きさせない。不思議なフレーズを作り上げることもできるし、本当にいつもあいつには驚かされてるよ。

あなた方は、バンド名からしてそもそも言葉の感覚が面白いですが、今作のタイトルになった「テイル・スワロワー・アンド・ダヴ」というフレーズは、どのようにしてつけられることになったのでしょう?

Brian:実は俺も全ては理解してなくて(苦笑)、「テイル・スワロワー」っていうのは、自分の尻尾を飲み込んでいる伝説上の蛇のことだけど、どこから「ダヴ」(鳩)が出てきたのかはよく知らないんだ。とにかく、スティーヴの読んでる形而学理論の本から色々アイデアが出てきてるみたいだよ。けど、俺には響きが面白いからそれで充分だし、歌詞の内容とちゃんと繋がってるんであれば、スティーヴに任せて問題ないと思ってる。

では、アルバム・ジャケットの印象的なアートワークはどのようにして決まったのでしょうか?

Brian:これは、ネットでアルバムのアートワークに使えそうな写真をグーグル検索して探していたら偶然1枚の絵を見つけて、それがフランク・マコーリーという作家の作品だったんだ。とてもクールな絵だったんで彼のウェブサイトのギャラリーを観てみたら、本当に素晴しい作品ばかりでさ。俺自身ビジュアル・アーツの勉強をしたことがあったから、よっぽどの作品でない限り驚くことはないんだけど、彼の作品はどれも素晴しかった。ほどよく写実的でありながら、あえてそれをグチャグチャに解体することができるセンスの持ち主だと感じたし、それこそまさに俺自身が常に求めていることだから、リンクする部分もあると思ったんだよ。そこで他のメンバーのみんなにも紹介してから、アルバムのアートワークを彼に頼むことを決めて、コンタクトをとってみたんだけど、嬉しいことに一発でOKしてくれたんだよね。で、最近になって描いた作品を幾つか見せてもらったうちの1つを選んで今作のアートワークにしたんだ。

なるほど。ところで、日本盤のボーナス・トラック"Washburn"は9曲目という、ちょっと変わった位置に入っていますが、この位置には何かこだわるところがあったのでしょうか?

Brian:レコーディングが終わった時点でかなりの曲数があって、どの曲を入れて、どの曲を外すか、なかなか決めかねていたんだ。で、実は最初に組んだのが日本盤になった曲順だったんだよ。まず、日本盤に(ボーナス・トラックとして)入ってる曲は、その前の曲と繋がっていて同じキーになっているから、入れるとしたらあの位置しかありえない。そして本国では「そこからさらに1曲を削らなきゃいけない」って話になってね。だから、通常盤には入れられなかったけど、せっかくだから日本盤では本来あの曲が入るべき場所でボーナス・トラックとして入れたってわけ。俺としては、本来そうなるべきだった形の日本盤の方がクールだと思うな……まぁ、大差はないけどね(苦笑)。

わかりました。さて、アルバムのリリースにともない、ロシアン・サークルズとのツアーに出る予定だそうですが、あなたはどちらのバンドでも演奏することになりますよね? 大丈夫なんですか?

Brian:それは大丈夫だよ(笑)。2つのバンドは友達同士だし、ステージでの機材も同じものをシェアー出きるしね。俺一人が少しだけ頑張らなきゃいけないけど(苦笑)、それ以外はきっと楽しいツアーになるはずだよ。

ライアンはナロウズ、クリスはマミファーと、各メンバーそれぞれ他のプロジェクトをやっていますが、こうした課外活動とディーズ・アームズ・アー・スネイクスとしての活動はどう区別されているのでしょうか。例えばTAASとロシアン・サークルズにおける、あなたの意識の持ち方やアプローチの仕方の違いなどがあれば教えてください。

Brian:それぞれは全く別物だね。ロシアン・サークルズの拠点はシカゴで、彼等が作ったデモを俺のところへ送ってきて、そこにベースラインを加えるっていう作業になるんだけど、そこでのベース・プレイは、あくまで曲を引き立たせるためのプレイというか、ちゃんと曲の雰囲気に沿ったベース・プレイを意識的に心がけている。それに対してTAASでのベースの役割は殆どリードというか、ベースがリフを刻んで曲の主軸を司っているから、両者ではダイナミクスがまるで違うんだ。そんなふうに、2つのバンドでは全く異なる役割を果たしているから、精神的にも使い分けが簡単にできるし、悩まないで済むんだよ。

現在、あなた方やマイナス・ザ・ベアーをはじめ、デス・キャブ・フォー・キューティやモデストマウスあたりまで加えて、シアトルを中心とした北西部の音楽シーンが非常に活性化してきている様子が感じられます。あなた自身そうした大きなエネルギーの渦中にいるという自覚がありますか?

Brian:シアトルはいつだって新しい音楽が誕生しているようなヴァイブに包まれてる。ただスポットライトが当たった時期と、そうでない時期があるだけで、いつも何かしらクールなことは起きているよ。アートのための土壌もあるし……つまり、地理的に隔離された街だからこそ、みんながアートを求めてるし、音楽も自分達で作ってしまおうとするから面白いものが生まれてくるんだと思う。今ではシアトル出身のバンドが随分ビッグになって……モデストマウスはもはやシアトルに住んでないし、デスキャブも昔はプレイしてたけど、今では彼らがプレイできるサイズの会場がシアトルには無いくらいビッグになってしまったせいか、全く見かけなくなったね。俺としては、もっとシアトルの小さな場所で活動しているアーティストとかの方が興味深いよ。そういうバンドが次のデスキャブみたいになっていくから、より若い連中のライヴを観に行くのが楽しいんだな。とにかく、シアトルではいつだって面白いことが起きているから、住むにはとてもいいところだよ。

ありがとうございました。またぜひ日本に来て、最高のステージを、より多くの音楽ファンの前で見せてほしいと願っています。

Brian:日本へは絶対また行きたいよ。前回のツアーも本当に楽しかったしね。自分としては大満足の最新アルバムを作ることができたから、ぜひ聴いてもらいたいし、来日公演が実現できるように応援してほしいな。

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